借地権を第三者へ譲渡するメリットとは

借地権を第三者へ譲渡するメリットとは?
借地人さんから「借地権を第三者へ譲渡したい」と相談を受けると、地主さんによっては「知らない人に土地を貸すことになる」「無償又は安く返して欲しい」とお考えになることがあります。
しかし実際には、昨今のインターネット時代では、借地権価格や譲渡などの情報も容易にに取得できて、これまで通りに返す又は買い戻すことが難しくなっています。
今回は借地権の第三者への譲渡の利点を整理してみます。これまでの契約内容を見直し、将来に向けてより良い土地活用を実現する機会にしていきましょう。
1.土地賃貸借契約書を今の時代に合った内容へ整備します
古い借地契約では、契約書が存在しなかったり、内容が簡単なものだったりすることも珍しくありません。年月が経つにつれて、建物の建替え、相続、住所変更などが繰り返され、実際の利用状況と契約内内容が一致していないケースもあります。
借地権譲渡の際には、新たな借地人さんとの間で契約書を作成・更新することで
①地代を適正な金額へ増額出来る
②契約内容の明確化(更新料算出方法の記載)
③建替えや増改築ルール
④連絡先や相続時の取扱いなどを整理する
⑤新しい借地人さんについて一定の条件(民泊禁止など)を付けることも可能
つまり地主さんにとって収益改善を図る機会や契約内容が明確になることで、将来のトラブル防止にもつながります。
2.譲渡・建替承諾料を受け取ることができます
借地権を第三者へ譲渡する場合、原則として地主さんの承諾が必要です。そのため、譲渡承諾の対価として承諾料を受け取ることができます。承諾料は地域や契約内容によって異なりますが、借地権価格を基準として算定されることが多く、地主さんにとってまとまった収入となる場合があります。土地を売却することなく資産から収益を得られる点は、大きなメリットといえるかもしれません。
3.建物が新しくなり、土地全体の価値向上につながります
借地権を取得する方は、新築住宅を建てたり、老朽化した建物を建て替えたりするケースが多くあります。古い建物が耐震性・耐火性に優れた住宅へ建て替えられることで
①街並みが良くなる
②防災性が向上する
③土地全体の印象が良くなる
といった効果が期待できます。地主さんにとっても、ご自身の大切な土地の価値やイメージを維持・向上させることにつながります。
4.借地人さんが若返り、長期的な安心につながります
現在の借地人が高齢の場合、相続や空き家など将来的な不安を感じる地主さんも少なくありません。一方、借地権を購入される方は住宅取得世代である30代から50代の方が多く、住宅ローンを利用して新築するケースも多く見られます。その結果、今後数十年にわたって安定した土地利用が期待でき、地主さんにとっても長期的な安心につながります。
5.裁判所の手続きを避け、円満な解決につながります
借地権譲渡について地主さんの承諾が得られない場合、借地人さんは裁判所へ借地非訟の申立てを行い、地主さんの承諾に代わる許可を求めることができます。しかし、このような手続きは地主さん・借地人さん双方に時間的・精神的な負担が生じます。話し合いによって譲渡条件を整理し、地主さんにも十分なメリットがある形で合意できれば、不要な紛争を避け、良好な関係を維持することができます。
借地権の譲渡は、長年変わらなかった契約関係を見直し、地主さんと借地人さんの双方にとってより良い関係を築くことのできる貴重な機会と言うことが出来ます。地主さんの大切な資産を次の世代へ安心して引き継ぐためにも、譲渡を単なる「承諾・不承諾」の問題ではなく、「土地の価値を高める機会」として前向きにご検討いただくことをお勧めいたします。