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「借地」地代の合理的な3つの算定方法

借地権

合理的な地代の3つの算定方法


借地の地代は実務では固定資産税・都市計画税の3~5倍程度で、固定資産税・都市計画税の税額を基準とすることが多いです。その上で3つの算定方法を下記にご紹介します。


()スライド法:適正地代=従来の地代×変動率

従来の地代に「従来賃料決定後に生じた経済的事情などの変動率」を乗じて得た額を賃料とする方式です。変動率としては、地価指数、消費者物価指数、賃金指数等を示す各種指数等が採用されています。地代の値上げ・値下げの問題は、法律的に継続賃料の考え方(もとの地代を基準に、世間一般の地代の値上率・値下げ率を掛ける考え方)が重視されるので、スライド法による算定がなじみやすいものですが、一方で、当初の地代の決め方が不合理な場合に、適正な地代を是正することが困難である等の短所があります。


()利回り法:地代=基礎価格×適正利回り+必要経費

敷地の価格を基礎とし、これに期待利回りを乗じた額に賃貸借を継続する為の必要な固定資産税・都市計画税等の諸経費を加えた額を賃料とする方式です。契約の個別的要因を捨象されてしまうことや、期待利回りをどのように設定するかで、算定額が変動するため主観的な判断に左右されやすい短所があります。



()賃貸事例比較法

近隣の地代の事例を収集して適切な事例の選択を行い、これらの地代額に必要に応じて事情補正及び時点補正を行い、かつ、地域要因の比較及び個別的要因の比較を行って求められた賃料を比較考慮し、相当賃料を求めようとする方式です。もっとも、土地の賃貸借は土地の個別的要因のほかに賃貸借の始期、賃貸借の至った経緯、権利金の授受の有無、契約条件、賃料改定の動向、賃貸借当事者の主観的事情等が異なるのが通常であり、この方式の適用により求められた数値は、その地域の一般的な賃料水準は示しますが、個別的な事情の多い当該借地の適正な地代を算定する根拠としては、説得力に欠けるという短所があります。



【算定方法のウエイト付け】


いずれの算出方法もそれぞれ長所・短所があるため、実際には上記各方法で新地代額を算定し、その事案の特殊性に配慮して、各算出方法について重視する比重を定め、適正地代を総合的に決定する場合が多いです。例えば、地代の増減を定めるにあたって、契約当事者間に特殊な関係がある場合や契約時の条件を重視すべき事情がある場合は、最終合意賃料を重視する観点から、スライド法による計算を重視する傾向が高いです。また、最終合意賃料決定の経過に特別な事情はないものの、周辺の地代相場と著しく乖離した地代であり、実質的な不平等状態を是正すべき事案では、賃貸事例比較法を相対的に重視して適正な地代を定める等、当該借地契約の個別要因に照らして各算出方法を採用します。





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