
今、改めて考える「テナントリテンション」

今、改めて考える「テナントリテンション」
~適正家賃で、入居者に早く・長く住み続けてもらうには~
「テナントリテンション」とは
アメリカの賃貸不動産業界から来た言葉で、一般的に「入居者保持」とか「解約阻止」などと訳されます。 賃貸住宅において、「入居者に長期に渡って住み続けてもらうための努力や工夫をする」という意味です。
賃貸経営は、長く入居してもらったほうが安定的に収入が見込めますし、空室リスクに悩まされる事もなくなります。
入居者を顧客として捉え、顧客満足のために対策を考え、実行することで不満による退去を減らす取り組みです。PM(プロパティマネジメント)の考え方では、オーナーにとって解約=空室であり、収益を減らす悪因であるため、いかに長く住んでもらうかが重要となります。不満による退去(設備の老朽化、近隣トラブル、物件自体の保守点検、清掃の不徹底、適正でない家賃設定等)を防ぎ、また早期に選ばれるための物件の魅力を創ることにつながります。
具体的に稼動率を用いてお伝えします。将来にわたる安定経営という視点で稼働率を判断します。
稼働率=入居期間÷(入居期間+空室期間)で計算します(下図 稼働率表早見表参照)。
縦軸に平均入居期間。横軸に平均空室期間で求めることができます。
例をあげてご説明します。ある物件で、平均入居期間2年(24ケ月)で退去後、次の入居者が決まるまでの空室募集期間6ケ月の稼動率は80%です(下図①)。しかし、入居期間2年(24ケ月)であっても早期に対策を打って、工夫することで空室募集期間2ケ月となった場合の稼働率は92.3%(下図③)に向上します。
また、空室募集期間6ケ月を要しても、平均入居期間6年(72ケ月)の場合、稼動率は92.3%(下図③)に向上します。年間収入=家賃×総戸数×12ケ月×稼動率ですので、入居期間2年の場合
では4ケ月空室期間が延びると家賃が10%下落したことと同じになります。
優先すべきは優良な入居者に適正家賃で長く入居してもらうこと。そして空室期間を短くすることを目指していきましょう!
■稼働率早見表■
